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END2025.11
NEWS END|結末
全ターミナルの作業再開まで約2日半。3つの制度で対策が進み、国の監査・事前審査も始まった
名古屋港のコンテナターミナルを動かすシステム「NUTS」は、2023年7月6日18時15分に全てのターミナルで作業を再開しました[2][3]。国土交通省の委員会は、侵入の入り口を断定できないとしつつ、保守用の通信回線(VPN)からの侵入と考えられるとまとめました[6]。その後、港湾運送事業法・サイバーセキュリティ基本法・経済安全保障推進法の3つの制度で港を守る対策が進められ、国土交通省港湾局は2025年8月に国の監査、2025年11月に国の事前審査が始まったと説明しています[8]。
4コマでわかる
01
2023年7月4日の朝、名古屋港のコンテナを管理するシステムが止まり、専用プリンターから脅迫文が印刷されました[3]。
02
名古屋港運協会は翌5日、原因はランサムウェア(データを使えなくして身代金を求める悪いプログラム)だと発表しました[1]。
03
バックアップから戻して、6日の夕方に全ターミナルで作業を再開。止まってから約2日半(約60時間)後でした[3][9]。
04
国は委員会で原因を調べ、3つの制度で港のシステムを守る対策を進めました。2026年5月には手引きの第3版も出ています[6][8][10]。
タイムライン
- 2023年7月4日6時30分ごろNUTSの停止を確認。7時30分ごろシステム専用のプリンターから脅迫文書が印刷された。名古屋港運協会は9時ごろ愛知県警察本部に通報した(協会の経緯報告)[3]
- 2023年7月5日名古屋港運協会などが12時に発表。原因はランサムウェアへの感染と判明し、この日のトレーラーによるコンテナの搬出入は中止とした[1]
- 2023年7月6日15時から順にターミナルが再開し、18時15分に全ターミナルで作業を再開した[2][3]
- 2023年7月7日名古屋港運協会などが、全5ターミナルで通常の業務体制に戻ったと発表した[2]
- 2023年7月26日名古屋港運協会などが経緯報告を公表。リモート接続機器の弱点から不正アクセスを受けたと考えられること、外部への情報漏えいの形跡は確認されていないこと、脅迫文に身代金の額はなく攻撃者に連絡していないことを示した[3][11]
- 2023年7月31日国土交通省が「コンテナターミナルにおける情報セキュリティ対策等検討委員会」の第1回を開き、名古屋港運協会と名古屋港管理組合から話を聞いた[4][5]
- 2023年9月29日第2回委員会で「中間取りまとめ①」。保守用VPN機器からの侵入と見るのが適切とし、ログやバックアップの不足などの問題点を挙げた[4][5]
- 2024年1月24日第4回委員会で「取りまとめ」。感染経路は断定できず、VPN以外からの侵入も否定できないとしたうえで、3つの法律の観点からの制度的な対策を示した[4][6][12]
- 2024年3月国土交通省港湾局によると、港湾運送事業法の関係が改正・施行され、サイバーセキュリティ基本法の重要インフラ分野に「港湾分野」が位置づけられた[8]
- 2024年4月国土交通省港湾局が「港湾分野における情報セキュリティ確保に係る安全ガイドライン(第1版)」を作った[8]
- 2024年5月17日港湾運送を基幹インフラの対象に加える改正経済安全保障推進法が公布された[7]
- 2024年11月21日第5回委員会。国土交通省港湾局は、京浜・名古屋・大阪・神戸・博多の5港でコンテナ荷役を行う事業者を対象とする案を示した[4][7]
- 2025年3月28日安全ガイドライン第2版を公表[8][10]
- 2025年8月国土交通省港湾局によると、港湾運送事業者が届け出たシステムの安全対策を国が確かめる監査が始まった[8]
- 2025年11月国土交通省港湾局によると、経済安全保障推進法にもとづく、ターミナルのシステム導入や保守委託の国による事前審査が始まった[8]
- 2026年5月13日安全ガイドライン第3版を公表。事例集の最初に名古屋港の事案を載せた[9][10]
確定していること
- 名古屋港運協会は、障害の原因がランサムウェアへの感染だと発表した[1] 一次資料
- 2023年7月6日18時15分に全ターミナルで作業が再開した[2][3] 一次資料
- 名古屋港運協会は、データセンター内のNUTSの全サーバーが暗号化されたと報告した[3] 一次資料
- 名古屋港運協会は、脅迫文に身代金の額は書かれておらず、攻撃者に連絡していないと報告した[3] 一次資料
- 国土交通省の委員会は、保守用VPNにIPアドレスの制限がなく、IDとパスワードが合えば誰でも入れる状態だったと確認した[5][6] 一次資料
- 同じ委員会は、荷役の予定に影響が出た船を37隻、搬入・搬出に影響したコンテナを約2万本と推計して整理した[6] 一次資料
- 国土交通省港湾局は、港湾運送事業法・サイバーセキュリティ基本法・経済安全保障推進法の3つの対策が実施済みと説明している[8] 一次資料
分かっていないこと
- 侵入の入り口。国土交通省の委員会は、データが暗号化されてログを調べられず、断定できないとしている[6]
- VPNから入った場合の方法(IDとパスワードを盗まれたのかなど)。委員会は「特定はできていない」としている[6]
- 攻撃者がだれか。名古屋港運協会の発表にはない。国土交通省港湾局の事例集は、過去の文献を整理したものとして攻撃グループ名を挙げているが、事実関係が一部違う可能性があると注記している[3][9]
- 情報流出の調査の最終結果。名古屋港運協会は2023年7月26日時点で形跡なしとし、その後の調査結果は、この記事の出典には出てこない[3]
- 警察の捜査の結果。この記事の出典(2026年10月29日に確認)には、逮捕などの発表は出てこない
今の復旧状況
港の作業:名古屋港運協会は2023年7月7日、全5ターミナルで通常の業務体制に戻ったと発表しました[2]。協会は、リモート接続機器やサーバーへの不正アクセス防止を強め、ログやバックアップを充実させる方針を示しています[3]。
国のルール:国土交通省港湾局によると、港湾運送事業者は事業計画にターミナルのシステムの安全対策を書いて届け出る必要があり、対象の全事業者が届け出を済ませ、2025年8月から国の監査が始まりました[8]。名古屋港を含む5港の指定事業者がシステムを入れたり保守を任せたりするときの国の事前審査も、2025年11月に始まったと説明しています[8]。
手引き:国土交通省港湾局は2026年5月13日、港のための安全ガイドラインを第3版に改めました[10]。事例集では名古屋港の事案を最初に取り上げています[9]。止まってから全ターミナルの作業再開まで、約2日半かかりました[3]。
残っている点
- 侵入の入り口は公式には断定されないまま。国の取りまとめは、原因を幅広く考えておくべきだとしている[6]
- 国の監査や事前審査で何が見つかったか。2026年5月の背景説明資料[8]には、結果の数字は書かれていない
- 攻撃者の特定や捜査の進み具合(この記事の出典には警察の発表は出てこない)
出典
- 名古屋港運協会・名古屋港コンテナ委員会ターミナル部会「名古屋港統一ターミナルシステムのシステム障害について」2023年7月5日(https://meikoukyo.com/wp-content/uploads/2023/07/165c5b14bf0021d077a4852f0cb232b8.pdf)
- 同「(お知らせ)名古屋港統一ターミナルシステムのシステム障害について」2023年7月7日(https://meikoukyo.com/wp-content/uploads/2023/07/8ec654a202849d5e5db5afc9e1ea90c8.pdf)
- 名古屋港運協会・名古屋コンテナー委員会・ターミナル部会「NUTSシステム障害の経緯報告」2023年7月26日(https://meikoukyo.com/wp-content/uploads/2023/07/0bb9d9907568e832da8f400e529efc99.pdf)
- 国土交通省「コンテナターミナルにおける情報セキュリティ対策等検討委員会」(各回の開催日と資料)(https://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_mn2_000006.html)
- 国土交通省 同委員会「中間取りまとめ① 名古屋港のコンテナターミナルにおけるシステム障害を踏まえ緊急に実施すべき対応策について」2023年9月29日(第2回委員会)(https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001633393.pdf)
- 国土交通省 同委員会「取りまとめ 名古屋港のコンテナターミナルにおけるシステム障害を踏まえ緊急に実施すべき対応策及び情報セキュリティ対策等の推進のための制度的措置について」2024年1月(第4回委員会)(https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001719866.pdf)
- 国土交通省港湾局「一般港湾運送事業に係る経済安全保障推進法の基幹インフラ制度の運用開始に向けた指定基準等について」2024年11月(第5回委員会 資料2)(https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001843335.pdf)
- 国土交通省港湾局「港湾分野における情報セキュリティ確保に係る安全ガイドライン(第3版)背景説明資料」2026年5月(https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001879951.pdf)
- 国土交通省港湾局「港湾分野における情報セキュリティ確保に係る安全ガイドライン(第3版)事案事例集」2026年5月13日(https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001879954.pdf)
- 国土交通省港湾局「港湾分野における情報セキュリティ確保に係る安全ガイドライン」掲載ページ(第3版 2026年5月13日公表)(https://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_cybersecurity.html)
- INTERNET Watch(報道)「名古屋港のランサムウェア感染事件、港運協会らが詳細な経緯と今後の対応を報告」2023年8月4日(https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1521097.html)
- 国土交通省「『コンテナターミナルにおける情報セキュリティ対策等検討委員会』第4回委員会を開催します」2024年1月22日(https://www.mlit.go.jp/report/press/port02_hh_000200.html)
END LOG(更新履歴)
- 2026-10-29 初版公開(AIが執筆、別のAI2体が出典を検査し、指摘を直して公開)。次回確認:2026-11-28
